研究内容 | TDU音研

研究内容

音響樽:三次元音場を物理的に厳密に収音・伝送・再生する音響インターフェース技術

現代の情報技術がヒトの社会と調和するためには,ヒトの感情を含む身体的な情報を発信,受信することができるインターフェース技術が不可欠です.音に関しては音声をはじめとして楽器を用いる演奏行為により生じる三次元的な音の波面の中に感情を伴う身体的な情報が多く含まれています.そこで三次元音場を物理的に厳密に収音・伝送・再生する音響インターフェース技術を確立することにより,より親密な交流を可能とする情報環境を築くことを我々は目指しています.

多チャンネル音響インターフェースにおけるシステムの設計手法

音響樽のように100ch近くのスピーカを用いるシステムは従来の信号処理技術とは異なるアプローチでシステムの設計を行う必要があります。音場再現を高い精度で行うことは当然のことながら、コンサートホールなどの音場をリアルタイムで再現する音場シミュレータに音響樽を用いる場合には、レスポンスの早い信号処理手法の開発、フィードバックによる音場再現精度の低下やハウリングの抑制が必要となります。今後、時代とともにオーディオシステムの多チャンネル化が進む中で、我々は音響信号処理手法の最先端を開拓していきます。

多チャンネル音響インターフェースのキャリブレーションの自動化

音響樽コンテンツの製作において、音源を収録するためにフラーレンC80型マイクロホンアレイ(80chマイクロホンアレイ)を用いて三次元音場を収音します。また、音響樽によるリアルな音場を一般の方々に体験していただくアウトリーチ活動も活発に行っています。三次元音場の収録や音響樽デモなどで必ず生じるのが、機材の運搬、組み立ておよび接続、チェックというプロセスです。なかでも最終的なチェックは極めて重要な役割がありますが、現在は手作業で行っているため、時間がかかり、またミスも発生しやすくなります。そこで多チャンネルの音響情報から機材の接続や調整の適切さを定量的に評価する手法を開発することにより、多チャンネル音響インターフェースのキャリブレーションの自動化を行う手法を研究します。

音響樽と身体動作との相互作用

音響樽は世界初の没入型聴覚ディスプレイ装置です。特に、これまで開発されてきた3Dオーディオとの違いは奥行きに関する聴覚情報を呈示することができるという点です。すなわち音響樽は水平、垂直の定位だけではなく、奥行き方向の音場再現も可能であるために、高いリアリティで空間を呈示することができます。この特質を生かしながら、音と身体動作の相互作用を実現することができるシステムの開発を試みています。現在、我々が注目しているのは視覚障碍者の方々が行うサウンドテーブルテニスです。音響樽の中で身体動作することにより、サウンドテーブルテニスと同じ音響体験ができるシステムを製作しています。
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